ヨガの種類を徹底解説:ハタヨガ・ヴィンヤサ・陰ヨガ・リラックス系の違い

ヨガスタジオの体験予約をしようとして、レッスンスケジュールを開いたら「ハタヨガ」「ヴィンヤサフロー」「パワーヨガ初級」「陰ヨガ」「リストラティブ」……と並んでいて、どれを選べばいいかわからなくなった経験はありませんか?

ヨガには数えきれないほどの「流派」が存在します。ただし、日本の一般的なスタジオで実際に受けられるレッスンの種類はそこまで多くありません。初心者がまず理解しておくべき主要な種類は5〜6個だけです。

目的別おすすめ早見表

ダイエット・引き締めヴィンヤサヨガ、パワーヨガ
ストレス解消・リラックス陰ヨガ、リストラティブヨガ
体が硬い・運動が苦手ハタヨガ(入門クラス)
迷ったらまずハタヨガから始めればOK

この記事では、スタジオで目にする代表的なヨガの種類をグループ分けして、それぞれの特徴と「実際に受けたらどんな感じなのか」を具体的に解説します。読み終わるころには、自分が最初に体験すべきレッスンが絞り込めるはずです。

目次

ヨガの「種類」と「流派」はなぜこんなに多いのか

このセクションの要点

  • ヨガの歴史は数千年。ハタヨガから様々な流派が枝分かれ
  • 「ホットヨガ」「マタニティヨガ」は流派ではなく環境・対象者のカテゴリー
  • 日本のスタジオで受けられる種類は5〜6種類に集約される

ヨガの歴史は数千年にわたります。もともとは古代インドの瞑想行法として始まったものが、身体を使うポーズや呼吸法を体系化した「ハタヨガ」として発展し、そこから様々な指導者が独自の練習体系を作ったことで「流派」が枝分かれしてきました。

アシュタンガヨガインドのパタビジョイス師が体系化
アイアンガーヨガアイアンガー師がプロップス(補助具)を使う方法を確立

一方で、「ホットヨガ」「マタニティヨガ」「シニアヨガ」のように、ヨガを行う環境や対象者によって付けられる名前もあります。これらは厳密には「流派」ではなく「カテゴリー」に近いものです。ホットヨガのスタジオで行われるレッスンの中身は、ハタヨガベースのこともあればヴィンヤサ系のこともあります。「ホットヨガ」という名前だけでは、レッスンの動き方まではわかりません。

こう聞くと複雑そうですが、心配はいりません。日本の主要スタジオで提供されているレッスンを分解すると、ベースになっている流派はだいたい5〜6種類に集約されます。それらを「動きの強さ」で3つのグループに分けて整理すれば、全体像はすっきり見えてきます。

動きの強さで分ける3グループ ― まずはここを押さえる

ヨガスタジオでポーズをとる女性たち

このセクションの要点

  • しっかり動く系:ヴィンヤサ・アシュタンガ・パワーヨガ
  • ゆったり系:陰ヨガ・リストラティブヨガ
  • バランス型:ハタヨガ(迷ったらここから)

ヨガの種類を理解する一番シンプルな方法は、「レッスン中にどれくらい動くか」で3つのグループに分けることです。

グループ含まれる種類特徴レッスン後の感覚
しっかり動く系ヴィンヤサ・アシュタンガ・パワーヨガ呼吸に合わせて次々とポーズ移行。心拍数UP、汗をかく筋トレ後のような爽快な疲労感
ゆったり系陰ヨガ・リストラティブヨガ1ポーズ3〜5分以上キープ。ほぼ動かない長い昼寝から目覚めたような静かな軽さ
バランス型ハタヨガ動きもあるが激しすぎない。ポーズを数呼吸キープ肩が軽い、腰がほぐれた

この3グループの関係を頭に入れておくだけで、スタジオのレッスン表を見たときに「このクラスはだいたいこのくらいの運動量だな」と見当がつくようになります。

なお、ヨガとピラティスで迷っている方は、目的別の選び方を比較した記事も参考にしてみてください。

しっかり動く系:ヴィンヤサヨガ・アシュタンガヨガ・パワーヨガ

このセクションの要点

  • ヴィンヤサ:呼吸と動きが連動する「動く瞑想」。運動量3〜4
  • アシュタンガ:毎回同じ順番で進む”型”のヨガ。運動量4〜5
  • パワーヨガ:筋トレ要素が強い現代アレンジ版。運動量4〜5

ヴィンヤサヨガ ― 呼吸と動きが止まらない「動く瞑想」

最大の特徴呼吸と動作を連動させ、途切れなくポーズからポーズへ移行する「フロー」
運動量★★★☆☆〜★★★★☆(5段階中3〜4)
向いている人ダイエット・体力づくり目的の方
レッスン名の例ヴィンヤサフロー、フローヨガ、ダイナミックヨガ

「吸って両手を上げる、吐いて前屈、吸って顔を上げる、吐いてチャトランガ……」という具合に、呼吸のリズムが動きのテンポを決めます。止まる時間がほとんどないので、レッスン中は「次は何だっけ」と考える暇がなく、気づくと頭の中のおしゃべりが消えています。これが「動く瞑想」と呼ばれる理由です。

60分のレッスンでは、太陽礼拝(サンサルテーション)をベースにした一連の動きを何セットか繰り返します。後半にはウォーリアー2やトリコナーサナ(三角のポーズ)のような立ちポーズが入り、体幹と脚にしっかり効いてきます。終盤のシャバーサナ(仰向けで目を閉じる休息)に入ったとき、全身の血がめぐっているのを感じるのがヴィンヤサならではの体験です。

ジョギングに近い発汗量があるので、ダイエットや体力づくりを目的にしている方に向いています。

アシュタンガヨガ ― 毎回同じ順番で進む”型”のヨガ

最大の特徴ポーズの順番が完全に固定。武道の「形」に近い感覚
運動量★★★★☆〜★★★★★(5段階中4〜5)
向いている人自分の成長を実感したい方、ストイックに取り組みたい方
レッスン名の例アシュタンガヨガ、マイソールクラス

インドのパタビジョイス師が体系化した伝統的な練習法です。太陽礼拝A→太陽礼拝B→立ちポーズ→座りポーズ→逆転ポーズ→フィニッシングと、毎回同じ型を同じ順番でこなします。何度も繰り返すうちに身体が順番を覚えていきます。

ヴィンヤサとの違いは「順番が固定されている」点です。ヴィンヤサはインストラクターが毎回自由にシーケンス(ポーズの組み合わせ)を構成しますが、アシュタンガは誰が教えても基本的に同じ順番で進みます。そのため、経験を重ねるほど「今日は前回より深く入れた」「ここのバインドがもう少しだ」と自分の成長を実感しやすくなります。

正直なところ、初めて受けるとかなりキツいです。ただし「マイソールクラス」という自主練習スタイルのレッスンでは自分のペースで進められるので、実はこちらのほうが初心者には入りやすいかもしれません。

パワーヨガ ― 筋トレ要素が強く、汗をしっかりかきたい人向け

最大の特徴アシュタンガの現代アレンジ版。筋トレ的な要素が色濃い
運動量★★★★☆〜★★★★★(5段階中4〜5)
向いている人普段から運動している方、「ヨガだけでは物足りない」方
レッスン名の例パワーヨガ、ボディメイクヨガ、トレーニングヨガ

1990年代にアメリカで生まれた、いわば「アシュタンガヨガの現代アレンジ版」です。順番の固定を外して、より自由に・よりフィットネス的にアレンジしたもので、ハリウッドセレブが取り入れたことで世界的に広まりました。

レッスンの中身はインストラクターによってかなり幅があります。チェアポーズ(空気椅子)のキープが長かったり、プランク(板のポーズ)から腕立て伏せの動きを何回も繰り返したりと、通常のヨガよりも筋トレ的な要素が色濃いのが特徴です。「ヨガというよりほぼ筋トレ」という感想を持つ方も多いです。

逆に、静かに自分と向き合いたい、ゆっくり呼吸を深めたいという目的の方には合わない可能性が高いです。

ゆったり・リラックス系:陰ヨガ・リストラティブヨガ

このセクションの要点

  • 陰ヨガ:1ポーズ3〜5分キープ。筋膜・関節にじっくりアプローチ
  • リストラティブ:道具に身を委ねる”究極の休息”。ポーズ数は4〜5個

陰ヨガ ― 1ポーズ3〜5分キープで筋膜と関節にじっくり効かせる

最大の特徴1ポーズ3〜5分以上キープ。筋膜・靭帯・関節まわりにアプローチ
運動量★☆☆☆☆〜★★☆☆☆(5段階中1〜2)
向いている人デスクワークで固まっている方、寝つきが悪い方
レッスン名の例陰ヨガ、Yin Yoga

ヴィンヤサやパワーヨガが「筋肉」に働きかけるヨガだとすれば、陰ヨガは「筋膜」「靭帯」「関節まわりの結合組織」にアプローチします。

実際のレッスンでは、座位や仰向けのポーズが中心になります。たとえばバタフライポーズ(合蹠前屈)で足裏を合わせて前に倒れ、そのまま4分間キープ。最初の1分はほとんど何も感じませんが、2分を過ぎたあたりから股関節の奥がじわじわと開いていくのがわかります。

「動かないなら楽なのでは」と思うかもしれませんが、実際はまったくの逆です。3分間同じ姿勢で黙っていると、身体の感覚がどんどん鮮明になり、「ここが詰まっている」「左右で全然違う」といった細かい気づきが浮かんできます。身体だけでなくメンタルの鍛錬にもなるのが陰ヨガの面白さです。

レッスン後は身体がぽかぽかと温まり、その夜はぐっすり眠れるという声も多いです。

リストラティブヨガ ― ボルスターに身を委ねる”究極の休息”

最大の特徴プロップスを大量に使い、完全に脱力。60分でポーズ数は4〜5個
運動量★☆☆☆☆(5段階中1)
向いている人慢性的な疲労がある方、不眠気味の方、ケガの回復期
レッスン名の例リストラティブヨガ、リラクゼーションヨガ、癒しヨガ

「回復」を意味するRestorativeの名の通り、とにかく身体を休ませることに特化したヨガです。ボルスター(大きなクッション)、ブランケット、ブロック、アイピローといったプロップスを大量に使い、完全に脱力できる姿勢を作ります。60分のレッスンでポーズの数は4〜5個しかありません。1ポーズあたり10分〜15分キープすることもあります。

たとえば「サポーテッド・チャイルドポーズ」では、ボルスターを縦に置いて、その上にうつ伏せで身体を預けます。自分の筋力を一切使わずにポーズが成立するので、本当にただ横たわっているだけです。しかし、その「何もしない」状態を10分間続けると、呼吸がどんどん深くなり、副交感神経が優位になって、身体の緊張が層を剥がすように取れていきます。

「それならただ寝ればいいのでは?」と思うかもしれませんが、ベッドで寝るのとリストラティブヨガは違います。プロップスで身体を特定の角度や開き方に保つことで、日常生活では起こりにくい穏やかなストレッチが持続的にかかります。終わった後は「8時間寝た翌朝みたいにスッキリした」と表現する方もいるほどです。

バランス型の王道:ハタヨガ

ヨガをする女性

このセクションの要点

  • 現代ヨガの”共通言語”。ほぼすべての流派がここから枝分かれ
  • 動きもあるが激しすぎず、1ポーズ数呼吸〜30秒キープ
  • 迷ったらまずハタヨガの入門クラスへ
最大の特徴ポーズと呼吸を丁寧にリンク。ちょうど真ん中のテンポ感
運動量★★☆☆☆〜★★★☆☆(5段階中2〜3)
向いている人初心者、体が硬い方、運動が苦手な方
レッスン名の例ヨガベーシック、はじめてのヨガ、ヨガ入門、やさしいヨガ

「どの種類を受ければいいかわからない」という方に最初におすすめするなら、間違いなくハタヨガです。

ハタヨガは現代ヨガの”共通言語”のような存在で、ほとんどすべての流派がハタヨガから枝分かれしています。ポーズの動作と呼吸を丁寧にリンクさせ、1つのポーズを数呼吸〜30秒程度キープしてから次へ移ります。ヴィンヤサのように忙しくないし、陰ヨガほど長くも止まらない。ちょうど真ん中のテンポ感です。

60分レッスンの一般的な流れ:

  1. 座位の呼吸法
  2. ウォーミングアップ(キャット&カウ)
  3. 太陽礼拝を2〜3回
  4. 立ちポーズ(ウォーリアー1・2、木のポーズなど)
  5. 座位のポーズ(前屈・ねじり)
  6. シャバーサナ(仰向けの休息)

インストラクターが「吸って伸ばす、吐いてゆるめる」と丁寧にガイドしてくれるので、ヨガが初めてでもついていきやすいのが特徴です。「汗びっしょり」にはなりませんが、終わった後は「肩が軽くなった」「腰まわりがほぐれた」という実感があります。

ホットヨガは「流派」ではなく「環境」― 常温ヨガとの違い

このセクションの要点

  • ホットヨガ=室温38〜40℃の「環境設定」であり「流派」ではない
  • 同じスタジオ内でハタヨガ系〜パワーヨガ系まで複数種類を提供
  • 常温との違いは「発汗量」と「ポーズへの集中しやすさ」

ここまで読んで「ホットヨガはどのグループに入るの?」と思った方もいるかもしれません。答えは「どのグループにも入りうる」です。

項目ホットヨガ常温ヨガ
環境室温38〜40℃、湿度55〜65%通常の室温
発汗量大幅に多い少なめ
ポーズの取りやすさ筋肉が温まり伸びやすいアライメント(配置)に集中しやすい

ホットヨガとは、高温多湿に設定されたスタジオで行うヨガのことで、それ自体は「環境」の設定であって「流派」ではありません。LAVAのレッスンプログラムを見ると、ヨガベーシック(ハタヨガ系)、パワーヨガ、リンパリラックスヨガ(リラックス系)など、様々な流派ベースのクラスがホット環境で提供されています。

CALDOも同様に、初心者向けのベーシック系からダイエット向けのハード系まで、1つのスタジオ内で複数の種類が選べるようになっています。

つまり、「ホットヨガ」と「常温ヨガ」は、動きの種類ではなく「部屋が暖かいかどうか」の違いです。同じハタヨガでも、ホット環境で受ければ発汗量が大幅に増え、常温で受ければ汗は少ないかわりにポーズの細かいアライメント(身体の配置)に集中しやすくなります。

自分に合う種類の選び方 ― 目的別ガイド

目的別おすすめ早見表

ダイエット・引き締めヴィンヤサヨガ、パワーヨガ
ストレス解消・リラックス陰ヨガ、リストラティブヨガ
体が硬い・運動が苦手ハタヨガ(入門クラス)

ダイエット・引き締め目的ならヴィンヤサかパワーヨガ

体脂肪を落としたい、身体を引き締めたいという目的であれば、しっかり動く系のヴィンヤサヨガかパワーヨガが向いています。

ヴィンヤサヨガ60分あたり300〜500kcal程度
パワーヨガさらに高くなることも

特にヴィンヤサはフローの中で全身を連続して使うので、有酸素運動と筋トレの両方の要素を同時に得られます。

ただし、ヨガだけで大幅に痩せるのは現実的には難しく、食事管理との組み合わせが前提です。ヨガの運動効果については、消費カロリーの数字だけでなく「続けやすさ」と「姿勢改善による見た目の変化」も含めて考えたほうがよいでしょう。

ストレス解消・リラックス目的なら陰ヨガかリストラティブ

仕事のストレスを解消したい、疲れが取れない、よく眠れるようになりたいという方には、ゆったり系の陰ヨガかリストラティブヨガが合います。特にリストラティブヨガは副交感神経を優位にする効果が高く、自律神経の乱れが気になる方にとっては心強い存在になるはずです。

「動かないヨガ」に抵抗がある場合は、ハタヨガのリラックス寄りのクラス(「やさしいヨガ」「リラックスヨガ」等)を選ぶのも手です。適度に身体を動かしつつ、後半にゆったりしたポーズが入るので、動と静のバランスが取れます。

体が硬い・運動が苦手ならハタヨガから始める

「身体が硬いから……」「運動神経がないから……」という理由でヨガを躊躇している方がいるなら、迷わずハタヨガの入門クラスを選んでみてください。

ハタヨガが初心者に向いている理由

  • ポーズの移行がゆっくり
  • インストラクターが1つずつ丁寧に説明
  • 前屈で床に手が届かなくても、膝を曲げる・ブロックを使うなど軽減法が用意されている

逆に、初回からヴィンヤサやアシュタンガに飛び込むと、動きのスピードについていけず「ヨガって難しい」という印象だけが残ってしまうリスクがあります。まずハタヨガで基本のポーズと呼吸の感覚を身につけてから、興味に応じて他の種類に広げていくのが一番スムーズです。

スタジオのレッスン名、こう読めばOK

最後に、スタジオのレッスンスケジュールでよく見る名前と、ベースになっている種類の対応をまとめておきます。

レッスン名ベースの種類特徴
ヨガベーシック / はじめてのヨガ / ヨガ入門ハタヨガ初心者はまずここから
フローヨガ / ヴィンヤサフロー / ダイナミックヨガヴィンヤサヨガ運動量は中〜高
パワーヨガ / ボディメイクヨガ / トレーニングヨガパワーヨガ筋トレ要素が強め
陰ヨガ / Yin Yoga陰ヨガゆったり静かなクラス
リストラティブ / 癒しヨガ / リラクゼーションヨガリストラティブヨガとにかく休みたい日に
リラックスヨガ / やさしいヨガハタヨガ(リラックス寄り)ゆるめに動きたい方向け

名前から「これは動きそうだな」「これはゆったりしそうだな」と判断できるようになれば、もう種類選びで迷うことはなくなります。

まとめ

ヨガの種類は多いですが、スタジオで実際に目にする主要な種類は3グループに集約されます。

グループ種類運動量
しっかり動く系ヴィンヤサ・アシュタンガ・パワーヨガ★★★〜★★★★★
ゆったり系陰ヨガ・リストラティブ★〜★★
バランス型ハタヨガ★★〜★★★

初心者の方であれば、まずはハタヨガの入門クラスか、ヴィンヤサの初級クラスを体験してみるのがおすすめです。1回受けてみれば「もっと動きたい」のか「もっとゆっくりしたい」のか、自分の好みが自然とわかります。種類の知識を完璧にしてから始めようとするより、まず1回体験して身体で感じることのほうがずっと大切です。

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